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「アドニスの帰還」創作ウラ話
作品を書くことになった
> きっかけ?
 友人宅で小さなバースデイパーティによばれて、そこで、小説の主人公のエリ
ザと同じ日系ブラジル人の司法通訳の女性と知り合いました。日本に数十年住ん
でいても、警察のお世話になるようなことはないのですが、(あったら大変です
が)彼女は来日して数年で、最も人の嫌がる警察署での司法通訳をするようにな
りました。彼女との出会いがなければこの作品は生まれませんでした。
> 司法通訳人について   司法通訳には、警察署、検察、裁判所と3通りの場所があり、通常はそれぞ
れ別個に通訳として雇いあげらます。通訳手当はかなり高額ですが、ボランティ
アで通訳をしている人もおおぜいいます。警察の通訳の場合、逮捕引致などの現
場に同行することが多いのが特徴です。いずれにしても、専門用語が飛び交う世
界なので、それなりの勉強が必要です。
> 取材で困ったこと   ブラジルという国のイメージをつかむのに骨が折れました。サンバくらいし
か知らなかったのですが、奥が深い国です。
> 取材で逢ったすごい人  作中、様々なモデルになるような方々がいらっしゃいました。どなたとは言い
にくいのですが、まさに修羅場をかいくぐって生きのびてきた方もあり、驚きま
した。
> 浜松のブラジル人の環境 約18000人、居住していて日本一だそうです。ブラジル人の専用スーパー
やジム、洋品店、代書屋、旅行会社など、すべて揃っています。
 
> 犯罪人引き渡し条約
について
 日本でブラジル人が犯罪を起こし、捕まらずにそのままブラジルに帰国した場
合、日本とブラジルは犯罪人引き渡し条約を締結していないので、犯人を処罰で
きません。そのため、代理処罰として処罰そのものをブラジルの司法機関にゆだ
ねるということを模索していますが、手間と時間がかかり、なかなか思うように
はいかないのが実情です。
> 裏話  ブラジルを調べているとき、ブラジルの歴史について、興味深い事績を知りま
した。かつての宗主国、ポルトガルの王朝移転がそれです。ナポレオン全盛時代、
ナポレオンの軍勢が首都リスボンに迫ってきて、ときの王朝は船四〇隻あまりを
仕立ててブラジルへ逃げ延びたのです。この事績を書いてみたいなと思っていま
す。